3月11日。東日本大震災から丸11年が過ぎました。
未曾有の規模の大地震と津波、そして原子力災害と立ち入り制限、避難。かつてない規模の人々が影響を受けました。直接の被害を受けた方も受けなかった方も、当時のことを思い出して心がざわつき、辛くなる方もいるでしょう。
大切な人や物を失い、住み慣れた場所を離れて孤独や喪失感を抱え、先々のことを決めるのに悩み続けている方もいらっしゃるでしょう。心に重荷を背負っている方々を、どうか少しでも支えられますように。
悩みを抱えながらも、家族や友人のため、地域の未来のためにと、前を向いて歩き続ける方もいらっしゃいます。その未来を一緒に見つめていけますように。
若い世代や遠方にお住まいだった方の中には、どこか他人事としか感じられないという方もいるかもしれません。しかし、毎年のようにどこかで大きな災害が起こっています。自分が暮らす町を災厄が襲い、どこかへ逃げなければならなくなったらどうなるか、想像してみたことはありますか? 言うまでもなく、暮らしを破壊するのは自然災害だけではありません。新型コロナウイルス感染症のような疫病も、ウクライナへの軍事侵攻も、ほんの少し前までは想像もしていなかったのではないでしょうか。失業や貧困、紛争や戦乱の影響で日常が一変する可能性はどこにでもあります。
だから今日は、辛い境遇にある方々に想いを寄せて、自分にできることをそれぞれに考えてみませんか?
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参考:東日本大震災による死者・行方不明者・避難者数
東日本大震災による直接死の死者数は12都道府県で15,899人、行方不明者は2,526人(警察庁発表/2021年3月1日現在)
震災関連死の死者数は1都9県で3,784人(復興庁発表/2021年9月30日現在)
避難生活を続けている方は全国で38,139人(復興庁発表/2022年2月8日現在)
国や自治体の調査、自治体が公開している震災の記録などに目を通してみれば、どれほどの被害があったのか、そして社会基盤や暮らしの復旧がどのように進んできたのか、全容を知ることができます。こうした客観的なデータは、事実を知り、どのような施策が有効だったのか検証するうえで重要なものです。また、危機対応力を高めることにもつながります。
また一方で、そうしたデータには表れてこない個々人の心の揺れ、悩み苦しんできたひとりひとりの声を、文字や映像に残し伝えていく取り組みが、官民を問わず進められています。こうした声に耳を傾けることで、単に結果を見るだけではなくそこに至るまでの過程を想像し、他者への共感や寛容さが生まれるのではないでしょうか。
まずは関心を持って耳を傾けること、そこが第一歩です。